本人以外が過払い金請求を代理でする方法
過払い金請求はお金が絡むことなので、本人以外にも重要になってくる場合があります。例えばすでに払い終わっているけれど、本人が亡くなってしまった場合、相続人として過払い請求をすることができるのか。
他にも連帯保証人などの場合でも請求できるのかなど、色々なパターンが考えられます。
本人ができればそれが一番ですが、それができない場合には、他の人でも申請できるのか解説していきます。
もくじ(メニュー)
- 1)過払い金を本人以外でも取り戻すことができるのか?
- 1-1:過払い金請求は本人が行うのが原則
- 1-2:委任状があれば本人以外でも過払い金請求ができる
- 1-3:本人が亡くなっている場合は相続人である遺族なら過払い金請求ができる
- 1-4:相続人が過払い金請求する場合の注意点
- 2)代理請求を行う場合の3つの注意点
- 2-1:業者との和解交渉は難航する可能性が高い
- 2-2:報酬をもらってはいけない
- 2-3:代理請求では140万円以上の裁判ができない
- 2-4:代理人が専門家に依頼することは難しい
- 4)まとめ
過払い金を本人以外でも取り戻すことができるのか?
過払い金請求は本人が行うのが原則
過払い金請求は、結論から言うと本人以外もできる場合があります。 当然ながら、過払い金請求は本人によって行われるのが原則となっています。
しかし、病気やけがなどにより身体が不自由であるという理由から、例外的に家族が代理で手続きをするということは、場合によって可能です。 ただし、この際に注意しておかなければならないポイントがあります。 それは過払い金請求を家族が代理で行う際、本人にその意思の有無を確認し、委任状を用意しなければならないということです。
委任状がない場合、家族は代理で過払い金請求をすることができません。 もしも本人に過払い金請求をする意思がない場合は、家族が説得するしかありません。
ただし、1つだけ本人意思がなくても請求することができるケースがあります。 それは返済ができなくなり、連帯保証人が返済した時です。 この場合は連帯保証人には過払い請求の権利があり、本人意思を関係なく行うことができます。
委任状があれば本人以外でも過払い金請求ができる
2007年より以前にお金を借りた場合、過払い金請求ができる可能性があります。過払い金請求をする場合、多くは弁護士や司法書士などを利用して行います。 この時、本人は代理人に対して委任状を書きます。
基本的には委任状があれば、家族や恋人でも代理人として請求することができます。 ただし、委任状がなければ代理人なることはできません。 例えば、本人は過払い金が発生していることを知らなかった場合、家族が勝手に過払い金請求をしたり、弁護士や司法書士に相談をしたりして過払い金請求をすることはできません。
また、本人は過払い金が発生していることを知っており、過払い金請求を拒否している場合も同じになります。
本人が亡くなっている場合は相続人である遺族なら過払い金請求ができる
亡くなった家族に借金をしていた人がいるのなら、もしかすると過払い金があるかもしれません。 このようなケースでは、亡くなった人の遺産を相続した人に、過払い金請求をする権利があります。 故人の借金でも、過払い金があるなら場合によっては本人以外による請求が可能です。
まず、亡くなった家族の借金がすべて返済済みである場合は、相続人が故人の代わりに過払い金請求の手続きができます。 この場合も同様、契約書などの厳密な書類が残されていなくとも過払い金の調査は可能となります。
しかし、亡くなった家族が借金返済中にあった場合は、必ずしも過払い金請求ができるとは言えません。 まずは過払い金の調査をして、現在残っている借金の額より過払い金の額が多ければ過払い金請求が可能となります。 しかしそうでない場合、相続人は借金を相続しなければならないことになりますので、相続放棄の検討が必要です。
相続放棄とは、相続人が故人の財産、負債、その一切を引き継がない意思表示をすることです。 相続人が複数いる場合は自分だけが相続放棄するということも可能です。
ただし相続放棄は、当然ながら財産までも放棄しなければならないため、残された財産と借金、その二つを相対的に見て判断することが大切です。
相続人が過払い金請求する場合の注意点
相続人が過払い金請求をする際は、いくつか注意点があります。 まず、故人の借金に過払い金がある場合、原則的に各相続人は自分が引き継いだ持ち分に対してだけ過払い金を取り戻すことができるということです。
しかし、遺産分割協議において、遺族のうち特定の相続人のみ過払い金を取り戻せるように取り決めることが可能です。
また、相続人が故人の過払い金請求をすることは相続財産の処分行為と扱われてしまいますので、相続について承認したとみなされてしまいます。 つまり、その後は相続放棄ができなくなってしまうのです。
相続放棄は、相続開始を知って三か月が期限となっていますが、故人の過払い金請求が行われた時点で相続放棄をする権利は失われるので注意が必要となります。故人が借金返済途中で亡くなった場合は、ほかの金融機関での借金の残高がないかも確認が必要です。 遺産分割会議で過払い金を相続する人が特定された後に他の借金が見つかると、その他の相続人は故人の借金のみを相続しなければなりません。
さらに、自分も故人と同じ賃金業者で取引をしている場合は、特に注意が必要です。 賃金業者が故人の過払い金と自身が抱える借金との差し引きによって解決を要求することがあるので、相続した過払い金の返還を請求していると明示することが必要です。
代理請求を行う場合の3つの注意点
業者との和解交渉は難航する可能性が高い
過払い金請求についてはかなり世間に認知されていますが、理由があって過払い金請求を行わない人がいるのも事実です。 高齢だったり病気だったりでなかなか行動できない場合や、なかには単に面倒くさいという方もいます。
しかし、親や兄弟が本来取り戻せるはずの過払い金、自分が代わり取り戻してあげたいという方も多いでしょう。
ここでは過払い金請求の本人以外の代理請求について説明していきます。 まず確認しておきたいことは、過払い金請求については本人が行うことが原則であるということです。 そのため、必ず委任状が必要となってきます。
これは、本人に請求の意志がない場合は代理自体ができないためです。本人の意思を無視して行った場合は無権代理となってしまい、契約が無効となってしまうので注意しましょう。 その上で貸金業者に過払い金請求を行いますが、貸金業者はあまり積極的に和解交渉に応じてくれないケースが多くあります。
というのも、単なる代理人は専門家ではないので、わざと不利な条件を提示してきたりするからです。 どうせ裁判まではしてこないだろうと横柄だったり高圧的な態度だったりする場合がほとんどです。 その場合は、本当に裁判に持ち込むという選択肢もあります。
報酬をもらってはいけない
過払い金請求を本人以外が行なう場合には、本人の意思確認と代理権が本人から与えられていることを確認するために、委任状を貸金業者から求められます。 なぜなら、過払い金請求は、原則として本人が行なうか法定代理人として弁護士を立てることが一般的だからです。
本人に事情がある場合に行われる本人以外の代理人による過払い金請求では、法定代理人として報酬を得て請求出来るのは弁護士と140万円以下の場合には認定司法書士に限られます。 家族や親族が代理人となって過払い金請求を代理請求する際には、弁護士法に抵触しないように、報酬を受け取った営利行為を行なうことは出来ません。
あくまでもボランティアとして代理請求する場合のみ、限定的に許可されるものです。
代理請求では140万円以上の裁判ができない
ここで過払い金請求を裁判に持ち込む場合は、簡易裁判所での代理請求となります。 地方裁判所の場合は、弁護士資格がなければ代理行為が認められていませんので注意が必要です。
つまり、本人以外が代理で過払い金請求を行う場合は簡易裁判所のみとなります。 簡易裁判所にて代理で過払い金請求を行う場合は、代理人許可申請書を提出します。 これ自体はさほど複雑ではなく、裁判所にはひな型も用意されています。
ただし、簡易裁判所での過払い金請求は金額にも注意が必要です。 簡易裁判所で取り扱うのは140万円以下の事件と決まっています。 もしも請求する金額が例え1円でも140万円を超えてしまうと、簡易裁判所の管轄から外れてしまいます。つまり、弁護士に依頼して地方裁判所で裁判を提起するという選択肢しか残っていないことになります。
それがいやなのであれば、請求する金額を意図的に減らし、140万円以下にするという方法しかありません。 そのため、請求額が140万円を超える場合は、簡易裁判所での代理請求にこだわるのか、いっそのこと弁護士に依頼して地方裁判所での裁判にしてしまうのかを十分に検討する必要があります。弁護士に任せる方が安心という考え方もあります。
代理人が専門家に依頼することは難しい
では、過払い金請求の額が140万円を超え、弁護士に依頼して地方裁判所で裁判を提起した場合を考えてみましょう。 実はここでも新たな問題が発生します。司法書士や弁護士などの法律の専門家とは、委任契約を結んだ上で裁判などの過払い金請求が行われます。
ところが、この委任契約を結ぶのは本人以外であってはいけないのです。 あくまで請求する本人であり、本人の代理人ではこの委任契約を結ぶことはできないのです。 なぜなら、「弁護士などの専門家と委任契約を結ぶように委任を受けた代理人」が専門家と委任契約を結ぶという複雑な関係の上で、裁判を行うといった事態になってしまうため、本人以外が専門家と委任契約を結ぶのは難しいのです。
もちろん、専門家への相談だけであれば本人以外の代理人も可能です。
代理を立てて過払い金請求ができないケース
認知症などで判断能力がない場合
過払い金請求は借金をした本人が行うのが大原則です。 しかし本人が怪我や病気などで動けない場合は、家族などの本人以外が代理で行うこともできます。
しかし、すべての場合において代理ができる訳ではありません。 過払い金請求の代理ができないケースの一つとして、本人が認知症などになっており判断能力がない場合が挙げられます。 この場合は例え弁護士であっても本人に代わって過払い金請求を行うことはできません。
では借金をした本人が認知症になってしまったら、もう過払い金請求の手段はないのかというとそうではありません。 本人が認知症になってしまった場合は、成年後見人を選任すればいいのです。
成年後見人とは、認知症や精神障害などで判断能力が十分でない人を支援するための制度です。 裁判所によって認められた成年後見人であれば、その人が代理になって過払い金請求を進めることが可能になります。 成年後見人は家族がなる以外にも、弁護士や司法書士などに頼むこともできます。
本人に請求する意思がない場合
過払い金請求は本人の意思に基づき行なうことが原則ですが、本人以外であっても家族が代理で過払い金請求が出来る場合があります。 本人が病気や怪我により動けない状態にある場合には、本人以外でも家族であれば代理で過払い金請求が可能です。
しかし、本人に過払い金請求を行なう意思が全く無い場合には、過払い金請求を代理で行なえません。 過払い金請求は、あくまでも払いすぎた利息を本人の意思に基づき返還請求するものだからです。 本人以外が出来ることは、過払い金が発生している事実と、返還請求出来る権利を持っていることを根気よく伝えて同意を得ることしかありません。
貸金業者からの督促を受けた経験を持っている人にとって、再度貸金業者と関わり合いを持つことを極度に嫌がる人がいます。 過払い金請求を行なう際には、専門家へ依頼が出来れば本人に貸金業者から直接連絡が入ることが無いという説明を行えるので、専門家の話を聞いてみるよう説得することから始めなければなりません。
家族による説得を行っても本人に過払い金請求の意思が無い場合には、過払い金請求自体を勝手に行なうことは出来ません。 過払い金請求は、民法に定められた不当利得返還請求権を行使するものですから、本人の意思が必要となるわけです。
まとめ
過払い金請求は、本人の意思を示す委任状がなければ、本人以外は行えません。 しかし、債務者本人がすでに亡くなっていて、遺族が財産を相続する場合は、その相続人が代理で過払い金請求を行うことが可能となるのです。
完済している過払い金請求であれば、特別な手続きは必要ありませんが、完済終わってないものは過払い金より多額な金額かもしれないので弁護士に相談するなどした方が良いでしょう。
また、本人に過払い金請求の意思が全くない時や、認知症などで判断能力がない場合などは、代理での請求は難しくなります。 勝手に行うと無権代理になることがあるので気を付けてください。
ただし、連帯保証人は借金を返済していた場合、全ての過払い金に対して連帯保証人が返還請求をする権利があり債務者本人でなくても過払い金請求出来るので覚えておくと良いでしょう。
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