過払い金があるか調べられる引き直し計算の方法とは?
引き直し計算をすることで、過払い金のおおよその目安を知ることが可能です。 しかし、過払い金請求の引き直し計算をする場合はいくつかのポイントがあり、これを知らないと効率的に進められない可能性もあります。
特に自分ですべて行う場合は専用ソフトや注意点など、知っていて損はしないポイントばかりです。
今回は、このように自分で計算する方にとても役立つ情報を詳しく紹介します。 過払い金がどれくらいか知りたいけど、引き直し計算は難しいと諦めていた方もぜひ参考にしてみて下さい。
もくじ(メニュー)
- 1)過払い金を算出することができる引き直し計算とは
- 1-1:過払い金が発生する仕組み
- 1-2:引き直し計算とは?
- 1-3:過払い金請求をする時は引き直し計算を必ず行う
- 3)自分で引き直し計算をする時の方法について
- 3-1:自分で引き直し計算をやる際の注意点
- 3-2:自分でやる場合はソフトを使う
- 3-3:引き直し計算無料ソフトのまとめ
- 3-4:面倒な方は代行サービスを利用する
- 4)まとめ
過払い金を算出することができる引き直し計算とは
過払い金が発生する仕組み
過払い金請求をする前に、まず過払い金がいくらあるのかを引き直し計算と呼ばれる計算法で算出する必要があります。 この引き直し計算を理解するためには前提として、そもそもなぜ過払い金が発生するのかを理解する必要があります。 そのためまずは過払い金の仕組みをおさえましょう。
過払い金が生じる原因を一言で表すならば、グレーゾーン金利である、と言うことが出来ます。 賃金業者が利用者にお金を貸す際は利息制限法が適応されます。 利息制限法というと何となく難しそうに感じられますが、要は利息には上限が定められており、その上限を超えて利息を付けてはならない、ということです。
しかし、後に法改正されるまで、利息制限法の上限を超えていても別の法律である出資法で定められている年利29.2%を超えなければ罰せられることはありませんでした。この利息制限法の金利と出資法の金利の間がグレーゾーン金利と呼ばれています。
つまり、過払い金というのは借主が実際に支払ったグレーゾーン金利分から、借主が本来払うべきだった利息制限法分の金利を差し引いたお金だということが出来ます。 そしてこの過払い金を算出するために引き直し計算という方法が必要になるのです。
引き直し計算とは?
引き直し計算とは過払い金を算出するための計算方法で、先ほど紹介したグレーゾーン金利での支払い額から、本来支払うはずだった利息制限法での支払い額を引く、というものです。
もし仮に29%のグレーゾーン金利で100万円を借りていたとします。 この場合、1年後には29万円の利息が発生し、合計支払額は129万円になります。 また利息制限法では100万円の場合は金利15%が上限なので、1年後の利息は15万円、支払い総額は115万円です。
グレーゾーン金利の場合の129万円から利息制限法の場合の115万円を引くことで、14万円の過払い金があることが計算できます。 このように計算自体はそれほど複雑なものではありません。
しかし、取引履歴が多いと計算がややこしくなってきます。 そんな時は過払金計算用のアプリやソフトの利用が便利です。 過払い金を計算するためのアプリやソフトがインターネット上で公開されています。 無料で利用できるものも数多くあるため、もし過払い金請求を考えているのであれば事前に確認しておくと良いでしょう。
また最近では過払金計算のみを行ってくれる弁護士事務所や司法書士事務所も登場しているので気軽に計算をすることが出来ます。
過払い金請求をする時は引き直し計算を必ず行う
過払い金請求の手続きは、「過払い金返還請求書」を作成し、貸金業者に送付することから始まります。
過払い金返還請求書には過払い金の総額を明記する必要があるので、取引履歴に基づいて引き直し計算をして金額を割り出さなくてはなりません。
取引履歴は電話や郵便、FAXなどを利用して貸金業者から取り寄せることが出来ます。引き直し計算に必要なデータは法定利息と自分が実際に支払った金額だけで、当時貸金業者が定めていた金利が分からなくても問題ありません。
無料で計算できるソフトウェアも出回っていますので利用すると良いでしょう。 正確に引き直し計算を進めないと、金額が違っただけで請求を受け付けてもらえなくなる恐れがあります。
過払い金返還請求書を貸金業者に送付する際には、証拠を残すために内容証明郵便を利用することをお勧めします。
引き直し計算をすることで過払い金額の目安を把握できる
取引履歴を取り寄せる
過払い金請求を行うには、まず借入金と支払った利息の正確な金額を調査する必要があり、この時に必要となるのが取引履歴です。
借入金額や取引期間から過払い金がある可能性があっても、「もう昔のことだから」「契約書や領収書が残っていないから」という理由で諦めていませんか? 過去の借入金額や領収書など正確な資料が無い場合でも、金融業者へ取引履歴の開示を請求することが可能です。
金融業者側には取引履歴の開示義務があり、債務者本人が請求しただけでは信用情報などに影響は無く、本人確認が出来る書類か契約時の資料があれば簡単に取り寄せることが出来ます。
このとき業者によっては取引履歴が届くまでに1ヶ月前後掛かることもあるようなので、予定や気持ちにゆとりを持って取り寄せを行いましょう。 帳簿の保管は10年と法律で決められているため、10年以上昔の履歴は破棄されていることがあり、その場合は履歴の残っている期間から推定計算を行います。
取引履歴を元に引き直し計算を行い、過払い金請求の最終的な金額が決定します。
引き直し計算をする
過払い金請求を行う場合は、引き直し計算をしなければなりません。
引き直し計算とは、実際にどれくらいの過払い金が発生しているかを計算することです。特別に難しい計算方法ではありませんが、細かい部分で多少難解な部分もあります。 計算をする際に知っておきたいのは、なぜか払い金が発生しているかということです。過払い金が発生している理由は、グレーゾーンでの年利を設定していた場合に限ります。グレーゾーンとは2007年より前の利息制限法と出資法の間の年利のことを言います。利息制限法は10万円以上100万円未満の貸し付けを行った場合、年利の上限を20パーセントに定めていましたが、出資法では29.2パーセントに定められていました。
この29.2パーセントと20パーセントの差の部分をグレーゾーンと言い、グレーゾーンの年利の部分を請求できることになります。 例えば2007年より前に50万円のお金を借りたとします。 この時の年利が28パーセントに設定されていた場合、50×0.28で年利は14万円です。 ただ2007年以降には20パーセント以上の年利を設定してはいけないことになりましたので、本来適法にとれるはずの年利は50×0.20=10万円です。
つまり10万円しか年利をとってはいけないところ、14万円の年利をとっていたことになりますので、4万円の過払い金を請求できることになります。 この金額が100万円以上の場合、2007年より前は利息制限法では18パーセント、出資法では29.2パーセントが上限とされていました。
消費者金融で年利を29パーセントと設定していた場合は29万円の年利をとっていたことになります。 ですが2007年以降は18万円までしか年利をとることができなくなったわけです。 すると、29万円と18万円の差額である11万円を請求できることになります。
過払い金が発生しているか気になったら、引き直し計算をしてみる
テレビコマーシャルや雑誌の広告などで過払金請求についての内容が宣伝されています。 しかも、早めに請求をしないと請求ができなくなると宣伝しているため、焦る人もいるはずです。
特に、過去に消費者金融やカード会社からお金を借りた場合には、もしかしたら過払金が発生しているかもしれません。 ただし、これをどのように確認するかが問題になります。 過払い金請求ができるかどうかは、実際にどれだけ利息を支払ったかを確認しなければなりません。
1年前位のことであれば書類を保管している人も多いかもしれません。 ですが、10年近く前になると過去の借用書などは捨ててしまっているはずです。 そこで、業者に借り入れた履歴の情報開示を請求します。 情報が手に入れば、引き直し計算をしてどれくらいの過払金請求ができるか明確になります。
自分で引き直し計算をする時の方法について
自分で引き直し計算をやる際の注意点
過払い金請求を自分でやる場合は、過払い金の引き直し計算も自分で行わなくてはなりません。
引き直し計算をするためには、金融業者に取引履歴を請求する必要があります。 このとき気をつけたいのは、過払い金請求のために取引履歴をもらいたいと言わないことです。 過払い金が発生するのを分かっていて、利息を支払い続けていたのかと思われてしまいます。
そして、それを理由に過払い金の支払いを拒否される可能性が出てきます。 金融業者にとっては、過払い金を払うことは出来れば避けたいことなのです。 また、引き直し計算を間違えて過払い金請求をした場合、過払い金の数字が合致していないからという理由で、支払いを拒否される可能性もあります。
さらに、ブラックリストに登録されるリスクも出てきます。 ブラックリストに登録されても過払い金請求をすることにメリットがある人もいます。しかし、大抵の人にとってブラックリストの登録はデメリットです。
借金を完済した状態で過払い金の請求をするのであれば心配はありませんが、残りの借金を返ってくる過払い金で支払おうとしているのなら、計算を間違えないように注意をする必要があります。 過払い金請求をした後に借金が残ってしまうと、ブラックリストに登録されてしまうからです。
自分でやる場合はソフトを使う
過払い金請求を行なうためには、貸金業者に対して取引履歴を請求し送られてきた取引履歴から過去の全ての金利を法定利率で計算し直す必要があります。
表計算ソフトを使って細かく計算することも可能ですが、自分で金利引き直し計算を行なう際には、計算ミスを起こさないようにしなければなりません。 過払い金請求用に金利引き直し計算を行なうソフトが開発されているので、引き直し計算ソフトを利用すれば取引履歴に記載されている項目を入力するだけで、金利引き直し計算が可能です。
専用に作られているので、入力した項目のみ再度確認すれば計算ミスを防げるでしょう。過払い金請求をする際に、過払い金の額を正確に計算出来なければ、貸金業者に反論されてしまい過払い金を取り戻せない状況となりかねません。
過払い金請求では金利引き直し計算を行なう部分に手間をかけずに、和解交渉に手間と時間を費やすことが重要です。
引き直し計算無料ソフトのまとめ
過払い金請求をするためには、引き直し計算を自分でする必要があります。
引き直し計算で有名な無料ソフトは2つあります。 アドリテム司法書士法人が提供している外山式(通称名)と、名古屋消費者信用問題研究会が提供している名古屋式(通称名)です。両方ともエクセルを利用して計算をします。 入力方法などに多少の違いはありますが、計算結果に違いは出ないので安心してください。
基本的には1行ごとに数字を打ち込んでいくだけです。 入力する内容は主に、取引日と借入金額と返済金額です。取引履歴を元にデータを入力していきましょう。
外山式は、データを全部入力し終わったらデータ入力日を打ち込みます。そして、データ転記ボタンをクリックしてください。 データを入力をするときに注意したいのが、同じ日にお金を借りたり返したりしている場合でも、それぞれの行に数字を打ち込む必要があるということです。 同じ日だからといって、同じ行の借入金額欄と返済金額欄に数字を入れると、正しく計算がされない可能性があります。
名古屋式は、利率を打ち込むときにいくつか注意があります。利率はお金を借りたときの利率ではなく、利息制限法に基づく数字を入力してください。また、借入額が大きくなると利率は少なくなります。その場合は、利率が少なくなる行で数字を変えてください。 また、過払い利息は5%にしておくのが無難です。
面倒な方は代行サービスを利用する
過払い金請求の準備をするために貸金業者から取引履歴を請求したものの、届いた取引履歴が分かりにくい場合や量が多すぎて金利引き直し計算を面倒に感じてしまうことがあります。 金利引き直し計算を専門に行っている代行サービスを利用すれば、最も神経を使う過払い金の額を確定させる作業を任せることが可能です。
過払い金請求額の計算は請求者側が正確に行わなければならないので、代行サービスを利用すれば専門家が金利引き直し計算を行ってくれます。 代行サービスの料金は、自分で金利引き直し計算を行なう手間を考えると安く感じるでしょう。
過払い金請求は最終取引日から10年以内に行わないと、消滅時効にかかってしまうので、早期に過払い金請求を行なう必要があります。 和解交渉に時間が掛かることを考えると、代行サービスを積極的に利用して時間と手間を節約することで、和解交渉に力を入れて過払い金返還額を増やすこともできます。
まとめ
自分にはどれだけの過払い金があるのか、把握するために大切になってくるのが引き直し計算です。
自分でやる方法、引き直し計算ソフトを利用する方法、法律事務所などに代行サービスを利用するなど、様々な方法で計算することができます。 引き直し計算を行うことでおおまかな過払い金額がわかりますが、実際に過払い金請求を賃金業者に行う場合は、正確な過払い金算出が必要になってきます。
自分で計算を行う場合は何かと間違いが多くなってしまいますので、結果的に賃金業者から過払い金の額が合っていないので支払いを拒否されるということも起こりえます。そのため、自分で計算することに自信がない方は特に専門家に依頼したほうがいいでしょう。
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