債務整理をしてブラックリストに載る期間とその間に受ける影響

債務整理をしてブラックリストに載る期間とその間に受ける影響

債務整理をするとブラックリストに載ってしまって生活が大変になると聞いたことがある人もいるでしょう。

お金を返せない状況になってしまっても債務整理をするのをためらう原因の一つとしてよく知られています。ただ、ブラックリストに載るとどうなるかを詳しく知っているでしょうか。ここではその実態を詳しく説明するので参考にして下さい。

ブラックリストとはそもそも何か

金融業界ではブラックリストに載っていると問題点のある人物として見なされるとよく言われています。ただ、ブラックリストとはそもそも何なのかがわからない人も多いでしょう。ここではブラックリストについての詳細を解説します。

ブラックリストとは

ブラックリストとは金融業界ではローンなどで貸し付けをする際にリスクが高い人物のリストを指します。この人たちに貸してしまうと返済ができなくなる可能性が高いと判断できるため、ローンの審査を申し込まれても断るという対応になるのが一般的です。

金融業界ではブラックリストは主に個人信用情報機関に記録されている個人信用情報を指す場合が多くなっています。個人信用情報には過去の借入や返済、クレジットカードの利用や支払いなどが含まれています。その中に信用を疑わざるを得ないような内容があると金融ブラックになってブラックリストに載ったと言われるのが通例です。

債務整理をするとブラックリストに載る

金融ブラックになる条件には色々あり、クレジットカードの支払いが遅れたり、ローンの返済を延滞したりした場合も含まれます。債務整理についても例外ではなく、任意整理、個人再生、自己破産のどれを選んだとしても個人信用情報機関に記録されてブラックリストに入ることになります。

債権者の立場から見ると債務整理は損害を被ることになる行為です。そのため、債務整理は重く見られる傾向が強く、ブラックリストの中でも特にローンなどを利用できる可能性が低い部類に入ります。

ブラックリストに載る期間

債務整理をしてブラックリストに載ってしまうと一生リストから抜けられないわけではありません。個人信用情報機関では記録を保管する期間を定めているので、ブラックリストに載っていた人も年月が経てばリストから外れます。個人信用情報機関にはCIC、JICC、KSCの三つがあり、それぞれが債務整理に関連する記録を登録するタイミングと保管する機関が異なるので注意しましょう。

任意整理なら5年、個人再生と自己破産は10年で全てのリストから消えます。ブラックリストから消えたら金融ブラックだったことを第三者が知る術がなくなるので安心です。

ブラックリストに載ると生じる生活への影響

ブラックリストに載ると生活に支障が生じることは否めません。どのような影響が出るのかを簡単に確認しておきましょう。

ローンを組むのが難しくなる

債務整理によってブラックリストに載るとローンを組むのはかなり難しくなります。住宅ローンでも自動車ローンのような目的別ローンでも、自由な使途で借りられるカードローンでも同様です。審査の際に個人信用情報を照会すると債務整理をした事実が発覚してしまうからです。返済する能力がなかったことを示す根拠になるため、ローンの審査を通過できることはあまりありません。

クレジットカードの発行が困難になる

クレジットカードの発行についてもブラックリストに載っていると困難です。クレジットカードは信用に基づく取引なので審査の際に個人信用情報を参照されます。キャッシング枠を設けるときだけでなく、ショッピング枠のみのカードを申し込む場合でもブラックリストに載っているとなかなか審査が通りません。翌月以降の後払いになる仕組みなので、計画的に返済できる人にだけ発行されています。

スマートフォンなどの月賦払いができなくなる

スマートフォンを購入するときには本体の代金を月賦払いにすることができなくなります。スマートフォンの通話料金はサービスに対する支払いなので問題はありませんが、月賦払いは信用に基づく取引です。金融機関で利用する各種ローンと同様に審査で個人信用情報を確認されてしまいます。同様にクリニックで独自に行っている分割払いや、車の販売店が実施しているカーローンなども利用できないことが多くなっています。

物件によっては賃貸契約の審査に通らなくなる

賃貸物件を借りるときには契約できない可能性があります。物件によっては保証会社を利用していて、保証会社が審査のときに個人信用情報を照会するからです。保証会社との契約をするのが賃貸契約の条件になっているときには避けられない問題です。

ブラックリストに載っている期間の対策

ブラックリストに載っているときにはローンやクレジットカードの利用、スマートフォンの購入や賃貸契約に問題が生じる可能性が高いのは確かです。しかし、生活への影響を最低限に抑えることは可能なので、個々の対策方法を見ておきましょう。

生活福祉資金貸付制度を利用する

どうしてもお金がなくて生活が厳しいという状況に陥ると、ローンを利用できないのが大きな問題になります。その際の対策方法として厚生労働省が管轄している生活福祉資金貸付制度を利用するのが打開策です。生活福祉資金貸付制度は低所得世帯などを対象として低利息または無利息でお金を貸してくれる制度です。

市区町村を窓口にしていて、総合支援資金や緊急小口資金といった枠があります。条件を満たしていて審査を通れば数十万円程度の貸し付けを受けられるので苦境を乗り越えるのに適しています。

デビットカードやプリペイドカードを使う

クレジットカードを使えないとキャッシュレス決済ができず、店頭の支払いでも通販でも余計な費用負担がかかってしまうこともよくあります。その対策としてデビットカードやプリペイドカードを使うのが効果的でしょう。

このようなカードならブラックリストに載っていても発行できます。カードだけで決済できる点ではクレジットカードと同じなので魅力的でしょう。また、キャリア決済を使うことで翌月に電話料金とまとめて支払いをすることもできます。支払方法の選択肢は増えているので、用途に応じて適切な方法を選ぶのが肝心です。

スマートフォンなどは一括払いで購入する

スマートフォンなどを購入するときには本体を一括払いで購入せざるを得ません。型落ちや中古を選ぶなどの工夫によって代金が安いものを探し出し、月賦払いでなくても支払えるものでしばらくは我慢しましょう。

保証会社を利用していない物件を選ぶ

賃貸契約の際の審査の問題については、保証会社を利用していない物件を選んで申し込めば問題はありません。保証会社の利用を原則にしている物件でも、連帯保証人を立てられれば入居させてくれる場合もあります。オーナーや管理会社によって保証会社の利用の可否については対応が大きく異なります。入居したい物件があったときには不動産会社を通して交渉してみるのも良い方法です。

債務整理でブラックリストに載っても生活は続けられる

債務整理をすると金融ブラックと見なされてブラックリストに載ります。個人信用情報機関に記録がある限りはブラックのままですが、5年から10年が過ぎれば第三者には事実を知られることはなくなります。

それまではローンの利用やクレジットカードの発行などで不便なところもありますが、有効活用できる制度やサービスもあるので心配はありません。悪影響を最小限にすれば債務整理後もきっと前向きな生活を続けられるでしょう。

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